誰よりも高く、誰よりも速く。誰よりも強く。
人は他者と比べる事によって自己を確立する生き物である。
故にそれは人が知性を持った瞬間からの飽く無い思いなのだろう。
本能と云っても良いのかもしれない。
ただ、スローライフ、ゆとり教育と謳われて久しい現在、
この本能を生かし続ける事は非常に困難になっている。
人によっては下らぬと一笑に付するだろう。
しかし、実際問題この世の中は実力が全てなのである。
弱者は強者に支配、搾取される。
それは自然界では当たり前の事。
幸か不幸か人間には天敵らしい天敵が存在しなかったために
急激に種を増やし、他の種を根絶やしにすることで生活圏を拡大していけた。
良くも悪くもこの世は平和なのだ。
平和な時には生物の本能は余計な存在となる。
過剰な競争は諍いを生み、戦争を生む。
雄は必ずしも雄である必要はないし、逆もまた然り。
能力を特化させずとも暮す事が出来るのだから。
それでも、争いが決して消えないのは生物としての本能なのだろう。
その本能を抑える為の手段の一つとしてスポーツや競技が
存在するのだろう。
人は自分に興味の無い事には拒絶的や敵対的になる事がある。
本能に関わる感情を嫌悪してしまう。
だからといって、その事が間違っているとは一概に言う事は出来ない。
本能では誰よりも優位に立ちたいと思っているし、
その世界に身を置く事でしかわからない世界や思想というのが
存在するのも確かなのだから。
人が決めた決まりに本能がいう事を聞かねばならないのは
人間社会では当たり前の事。
それでも時として人はその社会性さえも棄ててしまう。
哀しいけれど、それが人であり、生き物たる証拠なのだろう。
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